■導入の経緯
　東京電力グループでは電力自由化の拡大に対応するため、各業務分野での一層の原価低減をはかっており、グループの物流業務を担う東電物流では「在庫半減」「欠品ゼロ」の目標を掲げ、配電用資材の流通方式を見直す方針を打ち出していました。なかでも、配車・配送計画業務については、現行の方式では道路事情や配送先事情などの設定ができず、熟練者でないと配送ルートの変更ができないなどの問題があり、システム化の必要性が課題として挙げられていました。ただ、配車・配送計画システムは、（１）最適化エンジンの構築、（２）地図情報との連動、（３）扱いやすいGUIの構築など極めて高い専門性が求められるため、実績のある高性能のパッケージソフトの適用を検討していました。

■「e-SmarTrack」の選定理由
　パッケージ選定においては、業務要件を満たした機能性、処理結果が見やすく誰でも簡単に実施できる操作性、700物品／400配送箇所／配送車両90〜100台の配車計算を、データ取り込みから配車計画結果修正・確認まで含めた一連の業務フローを20分以内で完了できる処理性能、及びデータのセキュリティの確保が重要なポイントとなりました。
　また、配電用資材物流では工事撤去材料の引取りという独特のオペレーションがあり、配送・引取を同時一括で最適配車を実現できる点や、ASP方式というコストメリットを総合的に評価し、「e-SmarTrack」が採用されました。

　東電物流では「e-SmarTrack」の導入により、配車計画策定時間の短縮、配車計画精度の向上、配車計画担当者の非専任化など配送効率の向上を実現し、資材センター・工事会社、及び東電支社を含めた資材流通業務の全体最適化によるSCMの推進を図っていく予定です。

【配車支援・配送計画ASPサービス「e-SmarTrack」の特長】
■マルチデポ対応
　・複数のデポでの積み降ろしと複数の集配先を組み合わせた集配計画が簡単に実現できます。
■配送・集荷一括処理
　・配送と集荷を別々に処理せずに同時一括で最適配車が実現できます。
■速い計算時間
　・数千件の注文データでもわずか数分で計算処理することができます。
■固定ルート遵守型自動配車機能
　・固定ルートを遵守しながら、日々の注文量の変動に合わせて、無駄なルート数や車両数を増や
　 さずに、固定ルートを自動的に修正します。
■追積み再配車可能
　・一旦配車計算した後でも、その配車結果を崩さずに自由に追加注文を取り込んだ上で、追積み
　できるものはうまく割り付けて再配車を実現します。